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キャンピングカーのサブバッテリーを徹底解説!

キャンピングカーのサブバッテリーを徹底解説!

 キャンピングカーでの冒険をより快適にするためには、電力供給の安定性が欠かせません。特に、アウトドアでの長時間の滞在や、電力の使用量が多いシーンでは、サブバッテリーが重要な役割を果たします。

 しかし、「サブバッテリー」の存在についてよくわからない方もいるのではないでしょうか。サブバッテリーとは、キャンピングカーの車内で電気を使うために必要なバッテリーを指します。サブバッテリーがどのように機能し、どのような種類があり、どのように選べばよいのか。これらの疑問に答えるために、本記事ではサブバッテリーの基本から選び方、充電方法までを徹底解説します。キャンピングカーの電力管理において最適な選択をするために、ぜひ最後までご覧ください。

目次

1.サブバッテリーとは

 サブバッテリーとは、キャンピングカー電源システムや車中泊バッテリーで電力を供給するために使用されるバッテリーを指します。エンジンの始動に使うメインバッテリーとは異なり、サブバッテリーは主に車内の電化製品に電力を供給する役割を担っています。その用途は、外出先でスマートフォンなどを充電するモバイルバッテリーに似ています。

 自動車にはもともと、エンジンを始動させるためのメインバッテリーが標準で搭載されています。これに対して、後から車内に取り付けるバッテリーがサブバッテリーです。メインバッテリーとサブバッテリーの役割は異なります。メインバッテリーはエンジンを始動するために瞬時に強い電力を供給し、走行中に充電できます。一方、サブバッテリーは少ない電力を長時間にわたって供給するように設計されています。

 キャンピングカーにおいては、エンジンが停止している状態でも電化製品を使えるようにするために、サブバッテリーが重要です。エンジン停止中にメインバッテリーを使って車内の電化製品に給電すると、エンジン始動に必要な電力が不足し、「バッテリー上がり」の状態になってしまう恐れがあります。サブバッテリーでエンジン停止中にもさまざまな電化製品を稼働させます。

2.サブバッテリーシステムの必要性

 キャンピングカーは車内に居住スペースを持ち、ベッドなどを備えて快適な車中泊を実現するために設計されています。いわゆる、キャンピングカーには運転席の後方に居住スペースがあり、天井には照明が設置され、換気扇や冷蔵庫などの電気製品が載せられています。エンジン停止中でもこれらの電化製品を使用するためにはサブバッテリーが不可欠です。例えば、旅行先で車中泊をする際、夏は冷房が、冬は暖房が必要なシーンが多くなります。夜間や静かな環境での使用を考慮して、エンジン停止中に冷房や暖房を動作させるためには、サブバッテリーが重要です。

 サブバッテリーは、キャンピングカーの使用環境や必要に応じて適切な容量が搭載されています。しかし、電化製品を多く使用する場合やより長時間の電力供給が求められる場合には、サブバッテリーを追加で購入し、電力の確保をすることが推奨されます。

3.サブバッテリーは「鉛」「リチウムイオン」の2種類

 サブバッテリーには主に2つの種類があります。それが「鉛蓄電池」と「リチウムイオンバッテリー」です。各バッテリーの特性や利点、欠点について詳しく見ていきましょう。

キャンピングカーのサブバッテリーを徹底解説

3.1 鉛蓄電池(ディープサイクルバッテリー)

 鉛蓄電池は、長年にわたって利用されてきた伝統的なバッテリーです。特に「ディープサイクルバッテリー」として知られ、長時間の放電に対応できるように設計されています。

長所
  • コストが低い: 鉛蓄電池は比較的安価で、予算を抑えたい方には魅力的です。
  • 耐久性が高い: 定期的な放電と充電に耐える設計となっており、長期にわたって安定して使用できます。
短所
  • 重い: 鉛蓄電池は比較的重く、キャンピングカーの重量が増す可能性があります。
  • 充電速度が遅い: 充電に時間がかかるため、頻繁に充電が必要な場合には不便です。

3.2 リチウムイオンバッテリー

 リチウムイオンバッテリーは、比較的新しい技術で、最近では多くのキャンピングカーに採用されています。軽量で高性能なバッテリーです。

長所
  • 軽量・コンパクト: 鉛蓄電池と比べて非常に軽く、スペースも取らないため、キャンピングカー内での設置がしやすいです。
  • 高速充電: 充電が迅速で、すぐに使用することができます。
  • 長寿命: 一般的に鉛蓄電池よりも寿命が長く、長期間にわたって安定した性能を発揮します。
  • 深放電に対応: 放電深度が大きく、バッテリーの寿命に与える影響が少ないです。
短所
  • 高コスト: 初期投資が高く、予算に余裕がある場合に向いています。
  • 高温に弱い: 高温環境では性能が低下する可能性があるため、注意が必要です
比較表

特徴

鉛蓄電池

リチウムイオンバッテリー

コスト

安価

高価

放電能力

低い

高い

重量

重い

軽い

充電速度

遅い

速い

寿命

短い(充電サイクル350回)

長い(充電サイクル2,000回)

放電深度

制限あり

深放電対応

   

 これまでサブバッテリーには鉛ディープサイクルバッテリーが使われてきましたが、最近ではリチウムイオンバッテリーが使われるようになってきました。鉛ディープサイクルバッテリーと比べると、リチウムイオンバッテリーは放電能力が高いから、家庭用エアコンなど消費電力の高い機器も動かせます。充電も速く、おまけに軽量で寿命が長いというメリットもあり、機能面ではリチウムイオンバッテリーが圧倒的に優れているといえます。

 ただし、価格はリチウムイオンバッテリーのほうがより高いため、コストをかけたくない場合には、従来のディープサイクルバッテリーを使用するもまだ多いです。

4.サブバッテリーの選び方

 サブバッテリーを選ぶ際には、いくつかの重要なポイントを考慮する必要があります。ここでは、使用する電力機器とその消費電力、旅のスタイルに合わせた容量の目安について詳しく説明します。

4.1 使用する電力機器とその消費電力

 サブバッテリーを選ぶ際、特にリン酸鉄リチウムイオンバッテリー(LiFePO4)を使用する場合には、電力機器の消費電力と電池容量を把握しなければなりません。磷酸鉄リチウム電池は、従来の鉛蓄電池に比べて、長寿命かつ深い放電が可能で、容量の選定に際しても効率よく設計できます。以下は、電池容量の計算方法と、電池容量に応じた使用電器の選び方です。

 サブバッテリーを選ぶ際、特にリン酸鉄リチウムイオンバッテリー(LiFePO4)を使用する場合には、電力機器の消費電力と電池容量を把握しなければなりません。リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは従来の鉛蓄電池に比べて、長寿命かつ深い放電が可能で、容量の選定に際しても効率よく設計できます。以下は、電池容量の計算方法と、電池容量に応じた使用電器の選び方です。

 まず、使用する電力機器をリストアップし、それぞれの消費電力(W数)を確認します。これにより、1時間あたりの消費電力を計算できます。

 例えば、冷蔵庫の消費電力は50Wです。1日の合計消費電力量(Wh)は50W × 24h = 1200Whです。キャンピングカーで使用されるディープサイクルタイプのサブバッテリーは、蓄電容量が「100A(アンペア)」か「105A(アンペア)」のものが多く見受けられます。サブバッテリーの電力(W)は、「電流(A) × 電圧(V)」で換算できます。例えば、車載バッテリーは12V直流で蓄電されているので、100Aのバッテリーの場合は、「100A × 12V = 1,200Wh」の電力を供給可能です。

 次に、電池容量に応じて使用する電力機器を選びます。例えば、100Ahの磷酸鉄リチウム電池を搭載している場合のシナリオを考えてみます:100Ah × 12V = 1200Wh の電力量が得られるため、冷蔵庫が使用可能です。 この場合、冷房(500W)の使用はバッテリー容量が不足するため、短時間の使用や消費電力の少ない機器を選ぶことが必要です。また、容量の大きな電池(例えば300Ah以上)であれば、冷房や電子レンジなどの高消費電力の機器も長時間使用可能です。 このように、サブバッテリー(磷酸鉄リチウム電池)の選び方は、使用する電力機器の消費電力と使用時間に基づいて計算することが重要です。計算をしっかり行うことで、快適なキャンピングカーライフをサポートする適切な容量のバッテリーを選べます。

消費電力の計算

4.2 旅のスタイルに合わせた容量の目安

 サブバッテリーの容量は、旅のスタイルやキャンピングカーの使用頻度に応じて選ぶ必要があります。以下のポイントを考慮して、適切な容量を選びましょう。

短期間の旅行: 週末や短期間の旅行では、比較的小さな容量のサブバッテリーで十分です。例えば、200Ah程度のサブバッテリーが一般的な使用には適しています。
  • 長期間の旅行: 長期間の旅行や頻繁に電力を使用する場合は、より大容量のサブバッテリーが必要です。例えば、400Ah以上のサブバッテリーを選ぶことで、長時間の電力供給が可能となります。Redodo 12V 410Ah リン酸鉄リチウムバッテリーがおすすめです。
  • 特別な設備: 冷房や暖房、電は子レンジなど、高消費電力の設備を使用する場合は、さらに大容量のサブバッテリーが推奨されます。必要な電力を余裕を持って確保するために、容量に余裕を持たせることが重要です。
  • 予備電力の確保: 万が一のために、サブバッテリーの容量には余裕を持たせると良いでしょう。予備の電力があれば、予期しない電力の需要にも対応できます。
  •  サブバッテリーの選び方は、使用する電力機器と旅のスタイルに応じて最適な容量を決定することが重要です。事前に計算と調査を行い、自分のニーズに合ったサブバッテリーを選びましょう。

    5. サブバッテリーの充電方法

     キャンピングカーのサブバッテリーは、さまざまな方法で充電が可能です。それぞれの充電方法には特徴や利点があるため、目的や使用状況に応じて適切な方法を選びましょう。ここでは、代表的な3つの充電方法を紹介します。

    5.1 走行充電

     走行充電は、キャンピングカーが走行中にエンジンの動力を利用してサブバッテリーを充電する方法です。エンジンをかけることで、オルタネーター(発電機)によって発電され、その電力がメインバッテリーを通してサブバッテリーにも供給されます。この方法は、走行中に充電ができるため、移動時間が多い旅に向いています。Redodo DC-DCバッテリーチャージャーは、始動用バッテリーやソーラーパネルからサブバッテリーを充電することができ、柔軟な充電オプションを提供します。 

    5.2 外部電源からの充電

     キャンピングカーを停車した際に、外部の電源(RVパークやキャンプ場などの電源設備)を使ってサブバッテリーを充電する方法です。多くのキャンピングカーは、専用の外部電源入力ポートが装備されており、これを利用して電源を取り込みます。外部電源を使用すれば、エンジンをかけずに静かに充電ができます。

    5.3 ソーラーパネルによる充電

     近年、ソーラーパネルを利用した充電が人気を集めています。太陽光を利用して電気を発電し、その電力でサブバッテリーを充電します。ソーラーパネルはキャンピングカーの屋根に取り付けられ、太陽の光がある限り、常に充電が可能です。でも太陽光が十分でない天候や夜間には充電できないため、単独で安定した充電は期待できません。

    6. インバーターの仕組みと種類

     キャンピングカーのサブバッテリーで家電製品を使うためには、インバーターの存在が重要です。インバーターは、バッテリーの直流電流(DC)を、家庭用電化製品で使う交流電流(AC)に変換する装置です。キャンピングカーのサブバッテリーは、一般的に直流12Vや24Vの電力を供給しますが、ほとんどの家電製品は100Vの交流電流を必要とします。このため、サブバッテリーの直流電流を100Vの交流電流に変換する役割を果たすのがインバーターです。例えば、再登場するRedodo 1000W ac-dc 純正弦波 インバーターも100V以下のあらゆる家庭用電気製品に対応できます。

     インバーターには、波形の違いにより主に2つの種類があります。それぞれの特徴を理解して、自分の使用目的に合ったインバーターを選ぶことが大切です。正弦波インバーターは、家庭のコンセントから供給される電流と同じ正弦波を生成するインバーターです。これにより、家電製品や精密機器を安全かつスムーズに使用できます。特に、冷蔵庫やエアコン、テレビ、電子レンジといった電力を多く消費する精密な機器には、正弦波インバーターが推奨されます。矩形波インバーター>は、簡略化された波形を使用して、交流電力を生成します。この波形は正弦波ほど滑らかではありませんが、簡単な電化製品(ライトやファン、携帯電話の充電器など)には問題なく使用できます。矩形波インバーターは、正弦波インバーターに比べてコストが低く、小型であるため、基本的な電力需要をカバーする際に適しています。

    インバーターの仕組みと種類

    7. サブバッテリーの寿命を延ばすためのポイント

     サブバッテリーは適切に使用することで、その寿命を大幅に延ばすことができます。ここでは、サブバッテリーを長持ちさせるための具体的なポイントを紹介します。

    7.1 過充電・過放電を避ける

     サブバッテリーを長持ちさせるためには、過充電や過放電を避けることが最も重要です。過充電とは、バッテリーが満充電状態になった後も充電を続けることで、バッテリーの内部に負荷をかけて劣化を早める原因となります。一方、過放電とは、バッテリーを使い切ってしまうことで、これも寿命を短くしてしまう要因です。バッテリーマネジメントシステム(BMS)**を利用することで、過充電や過放電を防ぎ、バッテリーの健康を保つことができます。特に磷酸鉄リチウム電池にはBMSが標準装備されていることが多く、適切な管理を行う上で非常に役立ちます。

    7.2 使ったらすぐ充電する

     サブバッテリーは、電力を消費した後、早めに充電することが理想です。特に深放電を避けるためには、バッテリーの残量がまだ十分あるうちに充電を開始するのが効果的です。バッテリーが完全に放電する前に充電を行うことで、劣化を防ぐだけでなく、次回の使用時に電力不足を防ぐことができます。キャンピングカーでの使用後、充電の機会がある際にはすぐに外部電源や走行充電を利用してバッテリーを補充することを心がけましょう。

    7.3 深放電を避ける

     深放電とは、バッテリーの残量が極端に少ない状態になることです。特に鉛蓄電池は深放電に対して非常に敏感で、繰り返し深放電を行うと容量が大幅に減少します。目安として、鉛蓄電池は50%以下まで放電させないことが推奨されます。

     一方、磷酸鉄リチウム電池は深放電に対する耐性が比較的高いですが、それでも可能な限り深放電は避けた方が良いです。バッテリーモニターを活用して、常にバッテリー残量を把握し、残量が少なくなりすぎる前に充電を開始することが大切です。

     バッテリーを長持ちさせるためには、これらの管理方法を実践し、日常的に注意を払うことが重要です。適切な使い方と定期的なメンテナンスを行うことで、サブバッテリーの寿命を大幅に延ばすことができます。

    8.サブバッテリーを活用すればキャンピングカーライフがより快適に

     今回は、車内で電化製品を使うために必要な「サブバッテリー」について解説しました。サブバッテリーについて知ろうとすると難しく感じるかもしれませんが、最低限のポイントを押さえておくだけでもバッテリーの寿命を伸ばすことができます。

    キャンピングカーのサブバッテリーは、単なる予備電源ではなく、旅をより快適に、そして自立したものにするための重要なアイテムです。適切にサブバッテリーを活用すれば、キャンピングカーライフはさらに充実し、より自由で快適な体験が広がります。

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